【新 当院の特徴ある医療シリーズ 31】 骨盤腔内の腫瘍(椎骨浸潤タイプ末期)の 特長のある治療法 を紹介致します

上の写真は、犬の骨盤部分のCT横断像です。
★ 中央の白く『うかんむり』のような部分が、骨盤です。
★ 中央の右下にある『楕円形のモザイク模様』の部分が、肛門近くの大腸です。
■ 骨盤と結腸の間にある大きな塊は、本来は無いはずの【悪性腫瘍】です。

 

参照サイト:

https://bit.ly/3v9gBHF

 

■■■ ワンちゃんの“ 骨盤腔内の腫瘍 ”治療 ■■■
【当院の特長ある骨盤腔内腫瘍の治療法は、後半にあります】

 

■■ 骨盤腔内腫瘍の『軟部組織肉腫』と診断されたら。

 

肉腫とは、悪性腫瘍の一種です。 いわゆる『 がん 』です。

 

 

 

■ 鑑別診断リストとしては、

 

1) 線維肉腫
2) 血管周囲細胞腫
3) 脂肪肉腫
4) 粘液肉腫
5) 未分化肉腫
が含まれます。

 

 

■ 病理検査の中で、細胞診検査という針吸引で取った細胞を診断する方法がありますが、

『 起源不明の軟部組織肉腫が疑われる 』と回答が帰って来る場合があります。

正確な診断が難しい腫瘍の一つと御理解下さい。

 

 

■ 一般的な治療法は?

 

1)手術
2)放射線療法
3)抗がん剤療法
4)その他の治療法 と整理する事が出来るでしょう。

 

 

 

★★ 当院では、上記治療方法の他に、『 カラダに優しい療法 』を活用しております。

 

■ 一般的に、初期の低~中等度の腫瘍では、手術だけで治癒する可能性があります。 しかし、高い悪性度の浸潤型の軟部組織肉腫では、多数の治療方法を重ねても、決してハッピーな結果になりません。

 

 

 

◆◆◆ 症例を御紹介致しましょう ◆◆◆

 

 

■■ 柴犬 11歳 雄

 

 

■ 腰の痛みが治らない、という事で来院されました。 他院様での治療が上手く奏効していないそうです。

 

■ 触診では、しっぽの付け根の仙椎付近で疼痛があります。

 

■ ヘルニアなどの脊椎疾患を疑い、まずはレントゲン検査を行いました。

 

■ そうした所、骨盤腔内に塊状病変を認めました。

 

★ この大きな塊のシコリによって、肛門近くの結腸も下方に押し下げられています。

 

 

 

 

◆◆ 骨盤腔内の塊状病変は、結腸の中であれば、良性である事が多いのですが、結腸の外、なおかつ背側であると、悪性の腫瘍である事が多いです。

 

 

 

■ 脊椎の状態、腫瘍の状態を確かめる為に、全身麻酔をかけ、CT検査と、腫瘍を針吸引し、病理検査を行うこととしましました。

 

 

 

■ CT検査を行なってみると、骨盤腔内に発生した腫瘍が仙椎に浸潤していました・・・

 

 

★★ また骨盤腔内の腫瘍は、そのCTの写り方である程度悪性、良性の判断がつくと言われています。

 

■ その腫瘍の大きさでは、悪性、良性の有意差はないのですが、増強性(造影剤の腫瘍への入り方)が均一な場合は良性、不均一な場合は悪性が多いのです。

 

■ 残念ながら、不均一増強性でした…

 

■ 針生検の病理検査結果は、『由来不明な軟部組織肉腫』でした。

 

 

 

■■ CTの所見とあわせて、『 起源不明の軟部組織肉腫 』と診断しました。

 

■ 脊椎に浸潤もしており、残念ながら手術不適としました。

 

 

 

■ 当院では、動物たちのQOL(生活の質)を保つため、オゾン注腸療法や、ドイツ自然医学療法などの『 いわゆる統合補完医療 』選択肢があります。

 

■ それらを行い、この子は3ヶ月もQOL(生活の質)を低下せずに頑張ってくれました。

 

■ CT検査という高次画像検査を行うことで、的確な診断をつけ、当院の特徴ある治療でQOLを維持できた症例でした。

 

 

獣医師 増田正樹

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